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2019年3月25日 (月)

5.支柱・ネットの設置、苗の植え替え

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➄ カーテン用の主支柱固定とネット張り

作業としては、ようやくメインイベントです。


a)プランターの仮配置

支柱の配置を確認するために、まずは計画に沿ってプランターの仮配置をします。
平面図的には想定していた範囲に収まっても、実際に置いてみると作業がしにくい場合もあります。スタンド高さなど含めて立体的に立上がっても、周りとの支障がないか確認します。

b)主支柱の仮設と、花受け
問題が無ければ、プランターの邪魔にならない位置に、主支柱の突っ張りポールを配置して仮設置してみます。突っ張りポールは、完全に高さを固定しなければ設置した状態を確認しながら動かせるのが利点なので、最適な位置を探ります。

≪ポイント≫
この時に、「花受け」*を考慮します。(*「花受け」は筆者の造語です。)
早ければ、葉が繁茂するよりも前から、早々に花が付き始めます。緑陰づくりが主眼のグリーンカーテンの場合、水分や栄養分を葉の形成に集中させるために、葉が繁茂するまでは花実は見つけたら摘まなければなりません。

しかし、花実は陽の当たるネットの外側に着くことが多いので、葉の陰になって見落とすことも多々あり、気付いた時には散っている場合も少なくありません。散った花は、放置すると腐敗して床などにこびりつき、干からびてシミになり、掃除が大変です。まして、階下や道路に落ちると近隣に迷惑をかけることになります。そこで「花受け」の工夫をして、主支柱の配置を調整します。

● 一番簡単なのは、プランター含めてネット全体を手すり壁より室内側に少し控えて立て、手すり壁との間に落ちるようにさせることです。手すりが格子状だと回収効率が悪くはなりますし、落ちる以前に風で舞うものもあるので、パーフェクトに防ぐのは難しいです。しかし、相応の配慮と予防の努力だけは欠かさないようにし、地上に落ちたものは可能な範囲で回収しましょう(散歩時のペットの排泄物同様、飼い主の責任です)。

● または、プランターよりも室内側に主支柱を立てることで、ネット(カーテン)を傾斜させてネット(カーテン)自体で花を受けます。
ネットの吊元はそのままに、裾をプランター(スタンド)の屋外側に垂らすか、別途横桟をネット下部(または中間部)に結束して、手すりとその横桟の間に番線かビニル紐などを渡して、ネットに傾斜をつけるように持ち上げた状態で結束します。

もしも手すりと結び渡すことが難しければ、補助に短めの桟材を2本用意し、両端を各主支柱と、ネットに付けた横桟の端部にそれぞれ緊結して、ネットに傾斜ができるように固定します。(ネット下部の横桟と短い桟材でコの字を形成)プランターは傾斜させたネットの根元に配置します。用材は余分に掛かりますが、スペース効率を考えると一番よさそうです。

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● 花だけでなく、ゴーヤなどでは熟した実は落ちることなく爆ぜて種を蒔き散らします。この種が曲者でネバネバの果汁を纏っており、花以上に始末が悪いのです。熟せばオレンジ色に変わりますので、見えていれば摘み取ればよいのですが、葉陰で見落とすことも間々あります。万一爆ぜた時でも、花受けが考慮されていると、被害はベランダ内やネット上でなんとか収まります。

■ 本事例では ■
グリーンカーテンを始めてみて、初めて「花受け」の必要性に気付いた次第。しかし、プランターを手すりの腰壁側にベタ付けして、通路幅を稼いだ形で目いっぱい手すり側にカーテンを設置してしまった後だったため、花受けをベランダ外に設置するしか手がなく、【写真】に見えるように、手すりから張り出す形で、別途50cm幅程度の花受け用ネットを張っている。

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花受けネット

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 花受けネットの構成 


この場合のネットのマス目は、あまり細かくすると外壁を吹き上がる風をはらみやすいので、マス目は2cm角程度で、それ以下では難があると感じる。

2cm角の場合は、問題となる大きなヘチマの花(蕾径2cm~開花径8cm程)は、その重さも手伝ってしっかり受止められ、小さくて風に舞うこともある軽いゴーヤの花(径2×長4cm程)も細長いことでそれなりにかなりの程度引掛かっている。

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ヘチマの花実

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ゴーヤの花

ネットなしの初期の頃は、花が地上に良く落ちていて管理人さんの手を煩わせていたので、外出の行き帰りなどに努めてよく拾っていた。

また、熟した実が爆ぜた時、粘液の付いた種も実の破片も、かなり受け止めることが出来、被害を最小限に食い止めることが出来た。

c)ネットの張り渡し (および繋ぎの支柱)
前項b)で最終的な位置を決め、突っ張って固定した主支柱に番線を張り渡します。
高さは、ひさしから50cm位下になるようにして、両端はずり落ちないようにしっかりと巻付けて固定します。横桟も基本の考え方は同じです。設置位置の関係などで、ネットがプランターにまで届かない場合は、ネットまでのツルの立ち上がり用に短い補助の支柱を立ててやります。

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≪ポイント≫
張り渡し高さをひさしより下に控える理由は、先に述べたカーテン内の排気等の逃げ道を確保するため。また、間接光を取り入れて明るさも確保するため。もう一つ、ツルは際限なく上へと伸びるので、直接庇の裏や上階の外壁などに取り付きにくくするための「干渉帯としての空白をつくる」ためです。

また、ツルが取り付くところなくこの空間をさまよっている間に、この空間内で下方に向かって緩やかにカーブさせUターンさせてやります。この位のクリアランス無しに、太くなったツルを急角度で曲げると手折ってしまうことがあるのです。

≪ヒント≫
● 番線の固定の拠り所には、突っ張りポールの高さ固定ねじや、二重筒構造の段差、あるいは、露出した構造ならバネ部や高さ調節用のネジ部などが、利用できるかと思います。

● 何も拠りどころがない場合は、例えば、水道のホースを蛇口に固定するためのホース・クランプ(ネジで締め上げるメタルのバンド)などを、主支柱に巻いて強く締め上げて固定し、これに番線を引っ掛けて巻付け張り渡します。さらに補強が必要ならクランプと支柱を耐候性の良い屋外用高強度の接着剤で固めます。

● 諸条件から、吊るしたネットがプランターに届かない場合は、苗を植えても絡まりどころがないと、ツルがしばらく地を這うことになります。この場合は、プランターとネットの間に、苗ごとの根元に適当な長さの繋ぎの支柱を立て、これにツルを絡ませて立上げ、ネットへ導きます。張渡し距離が短く、ネットの余りがあれば継ぎ足してもいいでしょう。

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 ネットへの立ち上がりを繋ぐ補助支柱

●ネットを張り渡す手順
あらかじめ、番線を予定の張り渡し長さに加え固定巻き付け分などの余裕を見て長めにカットしておきます。一番端の主支柱に番線の端部を、先の要領で確保した高さで巻き付けてペンチなどで締めあげて固定します。

栽培用ネット端部の吊下げ用ループ部を一旦全て番線に通し、ネットの主支柱側端辺の、まずは上部ループ部1ヶ所のみを結束バンドで主支柱に固定しておき、番線を張り渡しながらネットを広げていきます。

主支柱間での張り渡す番線の長さ(広げたネット幅)が1.5mを超えるような場合は、その中間にも補助支柱を一本追加します。両端とコーナー部以外の支柱は、高さ維持(撓み止め)のための補助なので、一般的な園芸用支柱を使い、根元はプランターの土に突き立て固定し、上部を主支柱と高さを合わせた位置で張り渡す番線を巻き付けるなどして結束固定します。


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葉が繁茂し、密度が上がり始めた8月初旬状態

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シーズン終盤、盛夏の葉や実の重さで垂れ下がった番線
(支柱の間隔は約2m)

補助支柱を入れながら、さらにネットを広げつつ番線を張り渡せたら、反対側の端部を主支柱に強く張りながら巻き付けて緊結します。

横桟の場合も、これに準じて張り渡します。

張り渡し終わったら、ネットをマス目が綺麗な形になるようにゆる目に広げて、各支柱に対して上下と中間で4点程度結束バンドで留めます。

≪ヒント≫
・ 番線はきつく張りますが、ネットはピンと張らないで、マス目がはっきりする程度で、ゆったり目に支柱間で広げておきます。番線は後々カーテン全体の重さに耐えるため、ネットは後々カーテンの受ける風の力を逃がすためです。

・ 余ったネットは、さほどかさばらない量なら端部の支柱でまとめて結束しておけばよいですし、邪魔なら支柱に合わせて裁ち落としましょう。

≪注意≫
カーテンは繁茂してくるとかなりの重さになりますので、番線は充分強く張りましょう。まして収穫も期待する場合は、実が付けばカーテンはさらに重くなりますし、シーズン中は台風など強風に煽られることも必ずありますので留意しましょう。



⑥ ツル植物の選択と購入
全ての建て込みが終わったら、いよいよ、ここで苗を購入します。
苗はゴーヤやヘチマ、ヒョウタンなど生り物のお好みなどで選んでも良いのですが、できれば葉っぱの大きさの異なるツル植物を大小混ぜることがお勧めです。
ゴーヤのような小さめの葉(大きくて拳大程度)だけですと、密に繁茂するまでに時間を要し、かつ薄手なので遮光効果もそれなりです。日差しを受けている時の光は薄い黄緑という感じです。
 
一方でヘチマは、指を広げた手首から先くらいの大きな葉で、厚みもあり遮光効果も高いです。透過光の色なら深緑で、逆に言えば室内は結構暗めになります。

そこで2種をミックスすると「写真」のように斑な、かなり丁度良い感じに仕上がります。陽光はしっかり遮りつつ、明るさも柔らかな緑の色も、そして適度な通風も確保できます。写真を参考に本数比はお好みで。
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ゴーヤ単一のカーテン

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ゴーヤとヘチマのミックスで濃淡のある緑陰に

■ 本事例では ■
ゴーヤとヘチマを選択し、寄せ植えしている。
経験的に、数は半数ずつで、ツルが交錯して混ざり合わせやすいように交互に植えている。
苗数は、65cm長さのプランター1個に付き、苗3本が目安。

≪ヒント≫
● 最近は「カーテン〇〇」のようなネーミングで、あまり実をつけないカーテン専用の品種も多く販売されるようになりました。

● 種から育てても良いのですが、苗は店頭で20〜30cm程度ツルが伸びた状態で売っているので、ツルと葉の状態から、苗の良し悪し、生命力の強さ(個体差)も判断しやすいです。また、植えこんだ時点から、ネットや支柱に蔓を絡めやすく、初期に伸ばす方向も誘導しやすいです。

⑦ 苗植え替え(または種まき)と初期のツル用支柱設置
土を入れて下準備しておいたプランターに、ポットを外した苗を移し替えます。

6分目程入っている土の苗を植えるあたりに、ポットの大きさより少し大きめにざっくりと穴を掘っておきます。
ポットの苗を指の間で挟むように根元に手のひらを添え、ポットごとひっくり返して一旦手で受けます。ポットをそっと外しますが、土はほぼ根塊となっているのであまり崩れ落ちることはないかと思います。
そのまま手のひらを反すようにして掘った穴に移し替え、今回をゆするようにして土となじませながら抑え込んでいきます。
プランター全体に土を足して軽く押さえながら、全体の高さが8分目位になるようにならします。

種については、袋の説明書きに従ってください。播く位置は苗と同じ割合で。

≪ヒント≫
● 苗の中には、ごく稀に育ちの悪いものがあります。他と比べてツルがなかなか伸びなかったり弱々しい場合は、新しいものと植え替えましょう。

但し、同じ場所で繰り返しその症状が出た場合は、土の中に虫の幼虫がいて、養分や水分を取られていることがあります。一度掘り返して、篩掛けすればすぐに分かります。大きいと親指の頭ほどの幼虫が見つかることもあります。

 

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