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2019年4月30日 (火)

自然や動物とのふれあいを通して子どもたちを笑顔に 森恒雄さん

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TAMAZO(多摩動物公園の雑木林)での保全活動など、様々な社会貢献に携わっているグリーンセイバーの森恒雄さん。そのひとつとして横浜市の三沢公園で実施している障がい者乗馬について伺いました。



自然や動物とのふれあいを通して
子どもたちを笑顔にしたい。

 

障がいのある子の
乗馬をサポート。

  5年前から、RDA(Riding for the Disables Association)横浜でボランティアをしています。20年ほど前からボーイスカウトをお手伝してるのですが、団員に自閉症の子がいて、何かできることはないかとネットで調べて、RDAのことを知りました。本部はイギリスにあって、アン王女が総裁を務める国際組織です。動物とふれあうことによる癒し効果と、馬の動きに合わせてバランスをとろうとすることが脳や筋肉に良い影響を与えるといわれていて、ドイツでは健康保険の対象になっています。

  今は週3日、三ツ沢公園馬術練習場で障がいのある子供たちの乗馬をサポートしています。姿勢を保てない子には補助具を使って支えたり、馬の世話や小屋の掃除をさせて社会との接点を持たせたり、ひとりひとりの状態や体調に合わせなければならないので難しいことも多いですが、いつも車椅子から景色を見ている子は視線が高くなるだけでも喜びますし、最初は緊張で固まっていた子が少しずつ変わっていく様子を見るのは楽しいですね。

  一人の子どもを乗せるのに、手綱を引くリーダーが一人、左右に付くサイドウォーカーが二人、指示を出すインストラクターが一人、計4人のボランティアが必要なんですが、その確保が難しく、馬の数も限られているので、1回に参加できるのは5人ぐらい。もっと大勢の子どもたちに体験させてあげたいというのが悩みです。

 


子どもの質問に
答えられるように。

  グリーンセイバーになったのもボーイスカウトがきっかけ。キャンプに行くと、子どもたちがカブトムシを探しに行きたいって言うんだけど、どれがクヌギでどれがコナラかわからない。せめて木の種類がわかるようになりたいと思って日比谷公園でやっていたセミナーに参加して、そしたらグリーンセイバーの試験があるというので、せっかく勉強したんだからとアドバンスまで取ったのが2003年。翌年からTAMAZOのお手伝いをしています。

 自然が好きというより、子どもが好きで、子どもと一緒に何かやるのが楽しいという感じかな。ボーイスカウトは息子の入団がきっかけで、息子はやめちゃったけど、ぼくは今でもビーバー隊の隊長をやっています。今は子どもの数自体が少ないし、ボーイスカウトに参加する子も減っていますが、礼儀なども覚えるし、年齢の違う子どもたちがチームを組んで、年下の子の面倒を見ながら一緒に活動するという仕組みは、とてもいいと思うんですよね。聚の場合も、自然や里山というのがテーマだけど、それを次の世代に伝えるという目的があるし、子ワクや桜川の総合学習支援もあるから、いいなと思っています。

  だから、やっててよかったと思うのは、子どもたちの笑顔が見られた時かな。1年に1回、RDA横浜に参加した子どもたちがお礼のカードをくれるんですよ。それを写真にとってアルバムにしてるんだけど、こういうのをもらうだけでもうれしいですね。

 

第三ステージは
ぜひ社会貢献を。

  今は、火、水、金は乗馬、土曜日はTAMAZOなど、日曜日はボーイスカウト。乗馬のサポートもTAMAZOもけっこう体力がいるので、体を鍛えるという意味でテニスもやっています。忙しいですが、前からリタイア後は社会貢献したいと思っていたので、予定通りといえば予定通りですね。

  以前から、人間にはステージが3つあって、第一は自分のために勉強する期間、第二は家族と会社のために働いて、第三は社会貢献だと思っていました。子どもたちを送り出して終わりでは動物と同じ。人間だけがその後、社会に貢献できるんだと。

  ただ、もともとは資格をとって、フィールドで実技を学んだら、地元に帰って貢献するつもりだったんですね。ところが、ボランティアが集まりにくいのでTAMAZOからなかなか離れられない。それは想定外でした。だから、団塊世代の皆さんには、65歳まで定年延長なんていってないで、社会貢献の世界へどんどん入ってきてほしいですね。

(2013年6月発行、聚レター125号より)

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