都市公園で子どもたちに自然体験を 伊東俊廣さん
多様なフィールドと経験に育てられて
二宮での活動が
第二の人生の原点に。
実家は石川県で、いわゆる里山環境の中で育ったんですが、当時は全然意識していなくて東京で就職。仕事は機械関係で、最初はエンジニアを、次に大阪でかなり長い間営業をやって、さらに東京で7年ほど単身赴任をしました。
単身赴任時代はもう定年間近でしたので、何かしようと思ってネットで検索。樹木・環境ネットワーク協会を知り、その頃ゼロエミッションへの取り組みが盛んで、環境には関心がありましたし、実家の竹林が台風の被害でひどい状況になっていたので、竹林での作業を学びたいという気持ちもあって、二宮にしばらく通いました。
二宮では磯川さん、川端さん、大垣さんから環境の話を聞いたり作業をしたりしながら、いろいろ勉強させてもらいました。その間にグリーンセイバーもアドバンスまで取得。実際に活動したのは2年ぐらいでしたが、そこが私の第二の人生の原点という感じです。
定年後は家族のいる大阪に戻って、大阪事務局にも時々お邪魔するようになりました。その頃の大阪は、ニコルさんを招いて討論会をやったり、すごく活気があったんですね。事務局を手伝っておられた大川さん、上田さんが忙しそうだったので、私もお手伝いするようになって、そのまま今に至るという感じです。
都市公園で聚の
特色を活かすには。
事務局を手伝うようになって1年ぐらいたった頃、法人会員の美交工業さんが久宝寺の指定管理者になって、聚さんも何かやってみませんかと声をかけられて、レッツ久宝探検隊がスタート。私自身はマスターでもないし自信はなかったんですが、他のメンバーはそれぞれ担当をもっていたので、それじゃあ…という感じでリーダーになりました。
いわゆるフィールド活動ではないので戸惑いもあったんですが、みんなで相談して、要は自然に親しんでもらって、その中から活動を理解してくれる人がひとりでも増えたらいいのでは、ということに。最初は聚の活動を意識した講座もあったんですが、参加者が増えてくるにつれて、みんなが楽しめる体験主体のプログラムを企画するようになりました。
久宝寺ではいろんな団体が活動をしているので、その中で我々が特色を出すためにはどうしたらいいかと考えて、七草粥のように昔からの風習や文化を体験するようなプログラムも実施。今の子どもたちやその親の世代を見ていると、そういう経験をしていない人が多いという印象はありますが、昆虫観察会には我々よりよほど知識がある子どもたちも来てくれますし、そういう子たちがいずれ活動に参加してくれるようになるといいなと思っています。
里山を一から育てる
プロジェクトも。
久宝寺緑地では3年前から「自然学習ゾーン」の整備もしています。「生きものとふれあえる都市型自然公園」というコンセプトで、クヌギやコナラが中心の森を整備して、そこでいろんな体験ができるような場所にしていこうと作業をしている段階です。難しいのは、公園は府民の財産だからあんまり木を切っちゃいけないんですね。今回は計画書を作って、ちゃんと理由があることを理解してもらって切ることになったんですが、そのへんの認識を共有して、八尾土木事務所さんと美交工業さんと我々がいい関係を保ちながら活動できたらと思っています。
関西にもグリーンセイバーがたくさんいらっしゃるんですが、せっかく資格も知識もあるのに活動していない方が多いんですね。私も自信はありませんでしたが、いろんな活動をやるうちに育てられたという気がしています。関西には都市公園での観察会から、里山整備、専門的な森づくりまで、いろんな活動がありますから、その中から興味のあるものを選べますし、5人の事務局ボランティアをはじめ、参加してくれる人たちも楽しいメンバーばかりですから、ぜひ一度参加してください。
(2016年12月発行、聚レター139号より)
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