活動日:3月8日/4月12日
当フィールドは里山の樹木/竹の保護管理活動だけでなく、
地元農家のミカン栽培のお手伝いもさせていただいているのも活動の一部である。
ミカンの収穫作業ばかりでなく、収穫後の「剪定」・「施肥」・下草の繁茂期間の
「下草刈り」、真夏の「摘果」など一連の手入れ作業を代行しているのだ。
(1) 施肥
施肥は毎年3月、写真のように木の根元の周囲にサークル状に浅い溝を
掘ってそこに合成肥料を播き再び土で埋戻す作業である。
作業は低く横に張り出した枝の下に屈みこむ姿勢のため、結構しんどい
ものである。頭や肩に枝をぶつけることもある。

(2)老木のミカンの木
ここのミカン畑は戦後間もなくに開墾して苗を植えたと聞いている。
一般的には「ウンシュウミカン」の生産寿命は約25年とのことで、現在、
既にその寿命を過ぎている老木も多い。しかし、不揃いのミカンだが、
まだまだたくさん実るし放置していたらもったいないことから我らが
お世話を継続している。
近年、下の写真のように根元(これはちょうど台木のカラタチの部分)を
シロアリに食われたのか内部が空洞になっているものや、枝が腐って
折れてしまったものが散見される。
しかし、されど、どっこい元気に生きている!

下の写真は老木のため耐力が劣っていたのだろか、昨年の台風の
強風によって倒れたもの、今年の大雪の時の重みでついに根元から
折れてしまったものである。やむなく片づけたところである。

(3)新たな苗木を植えるよう依頼される
先般、農家の人から、「空きになった箇所に苗木を植えて欲しい!」
と頼まれたので苗木を増し植えの作業を引き受けたのだ。
苗木は既にお宅の庭内に植えて育ててあったものを、ちょうど新芽が
出る前の頃愛に植えるのが良いとの話であずかってきた。
苗木は写真のように人の背丈ほどのもの
(庭で数年育てられていて根の張り具合が旺盛。)4本。
高さ50cmほどのもの(昨年購入したという苗で1年間育てたもの)3本。の計7本。
苗木の品種は「大津4号」で、近年、この二宮/大磯地区では一般的な品種である。
以下に、「大津ミカン」の特徴を記載する。(netから)
・1964年に神奈川県足柄下郡湯河原町の大津祐男氏が十万温州を母体に、
ポンカンを受粉させた珠心胚実生から選抜した系統で1977年に品種登録されたもの。
・11月中旬から12月上旬に完全着色する。この頃が収穫適期。
・果実は大玉で玉ぞろい良く扁平。果皮はやや厚く果面は滑らかで
光沢があり外観が美しい。
・甘みが強くほとんど酸味が無い。
今までここの畑に植えられているミカンは、「藤中」と言われているもので、
戦前に発見、栽培されてきた古い品種である。
(4)苗木の植え付け作業、支柱設置
4月12日に植え付けを実施。農家の人から、
①大きめに穴を掘り周辺の土も一緒にほぐすこと。
②植え付け深さは接ぎ木してある箇所が埋まらない程度の浅さとする。
③植え付け後は支柱を設置する。
④繁っている葉は少しだけ剪定して取り去ること。
⑤散水を実施すること。等の指示があった。

支柱については、今回の苗の背丈が高く風による被害を受け易いため、
3本の竹棒を使い三方に配置してしっかりと固定した。最後に畑の脇に
置いてある天水桶の水を根の周辺に十分散水したが、今後、しばらくの期間は
こまめに散水を行なう、特に真夏の日照り等の時は注意して散水を行うつもりである。
(5)ミカンの苗木の台木についての雑学ネタ
ミカンの苗木はカラタチの台木にミカンの穂木を「接ぎ木」して作ることは
知っていたが、あらためてその理由について確認した。(netから)
①カラタチは台木として生長が早く穂木のミカンとの活着・親和性が良いため着果が早い。
②耐病性、耐寒性にも優れている。
等から日本ではカラタチが95%以上使われていることを知った。
一方、カラタチは浅根性のため風害による倒伏・干害による影響が大きいこと、
木の寿命が短いなどの欠点もあるようだ。
したがって、ほかにユズ、ヒリュウ(カラタチの一種)、シイクワシャー
(沖縄の柑橘種)等も多く研究されているようだが、穂木との親和性、
気候環境他による差も多く、夫々一長一短があるとのこと。
また、外国ではさらに違う台木を使用していること等を知ったが、
ミカン農家は随時、新たな付加価値の高い品種に更新しながら営農して行か
ねばならないようだ。反面、我らは楽しみながら行うことであるので申し訳ないが、
ミカンについて少しでも知ってその思いを共有したいと感じている。
今回植えたのが苗木なので何年先になるだろうか?
花が咲き実って初採りが食べられるのは・・・。
今の藤中ミカンとのとの食べ比べが待ち遠しい。
気の長い活動である。以上 (磯川 作成)
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