第2回 海洋島
小笠原はなぜ、「東洋のガラパゴス」と呼ばれるのでしょうか。キーワードは「海洋島」です。
世界の島々は、その成立由来から大陸島と海洋島(大洋島)に分けられます。大陸島は周辺の大陸と地続きになった時代があり、その時に大陸の生物がまとまって陸伝いにやってくることができました。
一方、海洋島は成立以来一度も大陸とつながらず海洋中に孤立してきたので、広大な海を越えて到着できた限られたものだけが住民となりました。また、到着後も隔離された環境の中で独自の進化を遂げたものが多く、固有の生態系が形成されました。
海洋島のユニークな生物の世界についてはこれから少しずつ取り上げていきますが、すべての大本は海洋島という島の由来にあります。小笠原もガラパゴスも海洋島であり、海洋島としてのさまざまな生物学的な事象が共通して見られるので、小笠原は「東洋のガラパゴス」なのです。
実は、「東洋のガラパゴス」という言葉は、沖縄のユニークな生物相の特徴を表すために用いられたのが始まりのようです。沖縄も島として長い歴史をもつので独特の生物が見られるのですが、根本は大陸島ですので大陸の影響を色濃く残しており、その意味で「ガラパゴス」とは異質です。
以前、一般向け雑誌に「都心のガラパゴス」とあったのでどこのことかと思ったら、小石川植物園のことでした。「珍しい生き物がいる場所=ガラパゴス」というのは、少々行き過ぎた用法であるように思います。
(初出:2017年10月13日)
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