第8回 海洋島のでき方 ③大陸移動の落ちこぼれ
海洋島のでき方としてホットスポット起源と島弧起源の2つについて説明してきましたが、実はもう一つ、超大陸(ゴンドワナ大陸)が分裂して現在のような大陸の配置になる際に、一部が大陸から分かれて島となったものがあります。ニュージーランド、ニューカレドニア、フォークランド、セイシェルなどがその例です。これらの島は定義に従えば大陸島なのですが、孤立してからの時間が長いため、生物相には海洋島の特徴が色濃くみられます。
ニュージーランドの例を紹介しましょう。ニュージーランドは哺乳類やヘビ類を欠くなど海洋島としての特徴がある一方、走鳥類(飛べない鳥のモア、キウィ)、ムカシトカゲ、ナンキョクブナ、カウリ(ナンヨウスギ)など古そうな生物が多数見られることから、ゴンドワナ大陸時代の姿がそのまま引き継がれてきたかのように考えられてきました。
しかし、最近の研究によると、オーストラリア大陸から7500万年前に分離したニュージーランドは、一時期、ニューカレドニアや今は海底となっている部分を含めた巨大な大陸“ジーランディア”の一部となった後、ジーランディアの沈降とともにその大半が水没してしまった時代があり、現在の生物相のほとんどはその後に再浮上してできた島にオーストラリアなどから海を越えて渡ってきたものに由来することがわかりました。遺伝子の比較研究(分子時計による分岐年代の推定)から、海を渡れないはずのキウィも4500万年前頃にタスマン海を越えてニュージーランドにやってきたと推定されています。
このようにゴンドワナ大陸起源の島であっても、古い起源の生物はほとんど死に絶え、そのあとに海を越えてやってきた生物に置き換わったのが現在の姿であり、その意味でこれらの島も海洋島として扱うことができます。
最近、翻訳出版された『サルは大西洋を渡った』(デケイロス著、みすず書房)には、南米のサル(狭鼻猿類)の祖先がアフリカから大西洋を越えて南米に辿り着いた驚くべき事実が述べられています。
(初出:2018年4月20日)
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