第41回 絶滅(3):大量絶滅1
地質年代区分の時代の境界は、上下の地層の間でおこる大きな生物化石群の入れ代わりに対応しています。それは、前の時代の生物が大量に滅んで、次の時代の新しい生物が展開したことを意味します。このように時代の境界で見られる大規模な生物の絶滅を大量絶滅(大絶滅)と呼びます。
大量絶滅は次のような特徴により、一般の個々の種の絶滅から区別されます:
①大規模:地球的な広がりがある、
②無差別:陸・海・空などの生活場所や生活様式によらずあらゆる生物に起こる、
③一斉:地質学的なスケールで一斉に起こる(ただし、100万年くらいは一斉のうち)、
④大量の絶滅:その時代の科や属の大半が滅ぶ。
史上最大の大量絶滅は2億5000万年前の古生代と中生代の境界(P/T境界)で起こりました。この時には古生代に栄えた三葉虫、腕足類、ウミユリの仲間など全科数の約50%が滅んだとされます。二番目は6600万年前の中生代と新生代の境界(K/Pg境界)であり、恐竜やアンモナイトなど中生代を代表するグループが滅びました。このほかにオルドビス紀末、デボン紀末、三畳紀末を加えて五大絶滅と呼びます。さらに、より小規模な例も加えて11大絶滅にまとめることもあります。要するに地質年代区分における大きな時代(代や紀)の境界は、程度の差はあれ大量絶滅が起こったと考えてよいでしょう。
残念ながら、肝心の大量絶滅の原因についてはまだよくわかっていません。種々の証拠より、6600万年前のK/Pg境界の時にはユカタン半島に巨大隕石が落下し、その影響で恐竜が絶滅した(少なくとも止めを刺された)のは確からしいとされています。また、地球深部からのホットプリュームが周期的に地表に到達する時に、長期間・広範囲にわたる巨大火山活動が生じて生物の大量絶滅を引き起こすという説も有力です。しかし、いずれもすべての時代の大量絶滅に当てはまるという証拠は得られていません。
(初出:2021年2月19日)
« 第40回 絶滅(2)絶滅の渦 | トップページ | 第42回 絶滅(4):大量絶滅2 »



コメント